私の事務所の隣地の解体が進んでいます。
このビルは築40年経っていて
内部にアスベストが含まれていました。
解体業者さんに聞いたところ、、、
アスベストの除去だけで300万
解体に500万もかかっており
こんな小さなビルの解体費が合計800万だそうです。
解体している鉄筋コンクリート
の断面を見てみると
よく見てください。上の写真のように
全く、鉄筋が入っていないんですね。
またコンクリートスラブもダブル配筋ではなく
シングル配筋で済ましているし
かつ、コンクリートの中にある鉄筋は
異形鉄筋ではなく大昔よく使っていた丸鋼が
使われていました。(丸鋼は戦前、戦後に
頻繁に使用されていました。)
と、信じられないような手抜き工事だらけで
私のような元建築の専門家から見たら嘘みたいな話です。
たまたま解体するからいいようなもので
このような建物を購入した人は
ひどい目に会うところでした。
40年前の建築ってこんなものだったのでしょうか?
40年前ということは
わたしがまだ20代のころで
建築の設計をやっていたころです。
現在の建築の正しい倫理観と比べて
かなり劣っていたことは事実ですが
ここまでひどくはなかったと思います。
解体屋さんの言うことには
鉄筋が入っていないので
解体している最中はコンクリートは
壊しやすかったそうです。(笑)
規制の厳しい先進国の日本でさえ
わずか40年前はこの程度のレベルですから
お隣の中国や韓国、、東南アジア諸国などは
「言わずもがな」でしょうね。
これから、解体が終わったら、今度は現場で
鉄とその他の金属類とコンクリートに
分別する作業を行うそうです。
解体工事も簡単な工事と
言えないような時代になりました。